2021年新春は電力不足に備える

中国において「寒波による停電が発生しているのでは」との情報をツイッターで見るようになりました。
(※私はその事実を確かめてはいません)

一方、いくつかの情報が、日本における年明けの電力危機を仄めかしています。

  1. 気象庁一カ月予報
  2. JEPX:電力市場価格
  3. HJKS:発電情報公開システム
気象庁一カ月予報が本日12月24日に更新されました。
ご覧の通りですが、日本全国が向こう一カ月、かなりの高い確率で寒くなっています。
この寒波は電力需要を押し上げ、雪が降れば太陽光発電の稼働は落ちるでしょう。

そうはいっても、日本の電力供給体制は万全なんでしょ?と思うかも知れませんが・・・
JEPX:電力市場価格も、先週一週間の寒波で需給がひっ迫し、高騰しました。
これは12月18日受渡の電力スポット価格です。30分1コマで、1日24時間で48コマあるのですが、夕方の時間帯は60円に達しています。60円というのは、家庭用で使われるどの電気よりも高いはずで、スポット市場から電力を調達する、新電力等の小売事業者は明らかに採算割れになっているはずです。

そ、そうは言っても一時的なことではないかしら?
発電情報公開システムは、その名の通り誰でも閲覧できる、発電所の状況を確認できるものです。もし発電所に不具合が発生して稼働率が落ちれば、スポット価格は上昇することが予見できますが、昔ながらの巨大な電力会社(旧一般電気事業者)がその情報を独占したり優位に使って市場を乱さないよう、公開することが求められました。

JERAというのは、東京電力と中部電力の発電部門が合弁した、世界的な巨大な会社です。その発電所のいくつかが、まとめて出力低下になっています。

普通、発電機というのはそれぞれに系統があるので、どこかで故障しても別の発電機が止まるということにはなりません。
しかし、HJKSでは、複数の発電所がまとめて出力低下を起こしています。

もしこれが一時的な故障ではなくて、火力発電の燃料不足によりものだったら・・・

北アジアの寒波で中国や韓国も相当寒いようです。燃料の国際マーケットは非常にタイトになっていることでしょう。追加で買ったとしても、生産地から日本までは時間がかかります。

もちろん杞憂であれば良いのですが、燃料不足と寒波で電力需給・化石燃料需給がタイトになれば、市民生活への影響に不安が生じるところです。

ではどうすれば良いのでしょうか?

まず車がある人はガソリンを多めに入れておくなど、必要な物資は多めにしておいた方がいいでしょう。
ガソリン自体は電気と関係ないように見えますが、ガソリン給油ポンプには電気が使われており、残念ながら買い占め対象になる虞があります。
(実際にガソリン供給に支障が発生しなくても!)

市場に聡い方は「電力不足で儲かる株はどこだ!?」と考えるかも知れませんが、残念ながらお勧めはしません。

オイルショック以降も猛暑・寒波・燃料危機は幾度となく襲ってきましたが、電力会社はそれを乗り越えてきました。底力はすさまじく、市民生活への影響が生じない可能性は十分にあります。

まず、「自分の身は自分で守る」の心構えで防災体制をチェックし、余計な買い占めとか、これに乗じた儲け話には気を付けましょう。

※今回の投稿記事は公開情報に基づく推論であり、責任は一切負えません。

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